vol4.リフォームを自由にできるのはどこまで?-専有部分と共用部分の考え方について(2)-
前回は、「専有部分と共用部分の考え方」の中でもバルコニーと専用庭というマンション特有の部分にスポットを当ててその考え方をご紹介いたしましたが、今回は、部屋内の境界とリフォームとの関連性について少し掘り下げてご紹介いたします。

各住戸の専有部分と共用部分との境界については、統一的な基準を定めることが困難であるとの理由から、区分所有法上はなんらの定めがなく管理規約の規定に委ねられますが、次の3通りの考え方があります。

- 1.内法説:
- 壁・床・天井等の境界部分のすべてが共用部分であり、境界部分によって取り囲まれた空間部分のみが専有部分であるとする考え方。
専有部分の登記上の面積は内法説を採用したものです。
- 2.壁芯説:
- 境界部分は共用部分ではなく、その厚さの中央までが専有部分の範囲に含まれるとする考え方。
新築時の販売面積(パンフレットの面積)は壁芯説を採用しています。
- 3.上塗説:
- 境界部分の骨格をなす中央部分は共用部分ですが、その上塗の部分(部屋の壁紙や塗装部分)は専有部分の範囲に含まれるとする考え方。
壁や床・天井の中には共用で利用する配管や配線が存在し、窓ガラスや、玄関扉などは外観の保全などの目的で上塗説が有力となっています。また、標準管理規約も上塗説を採用しています。(標準管理規約第7条)

専有部分とはいっても、管理規約で基本的な事項についての制限があります。標準管理規約第17条では、「区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替えを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない」と規定されていますし、更に規約の範囲内で使用細則にも定めることができます。
専有部分のリフォームについての主な注意点は以下の通りです。
天井と床の部分については、天井の石膏ボードなどの表面部分とその上の配線部分は専有部分となり、床についても畳・じゅうたん・フローリングなどの表面部分とその下の配線部分が専有部分となります。その他の駆体部分は共用部分として扱われます。
- 専有部分内で壁紙を変更することは自由にできますが、共用部分の壁を取壊して2室を1室に変更することは認められません。
- 玄関扉については、鍵及び内側内装部分のみが専有部分となり、シリンダーの取替えや扉の内側の塗装等は居住者が自由にできますが、それ以外は共用部分となりますので管理組合の管理となります。
- マンションの電気やガスは建物全体の容量が決まっており、一住戸だけが大量に使うことはできませんので、リフォームに伴い電気やガスの容量を増やしたい場合は必ず管理組合に相談して下さい。
- 窓ガラス・雨戸・窓枠・網戸についても共用部分となり、勝手に広告をしたり色を塗り替えたりすることはできません。
このように、集合住宅ならではの独特の考え方、制限が有りますので、皆様がお住まいのマンションの管理規約等を再度確認いただき、お互いに気持ち良く過ごせるよう、ルールを守って安全で快適なマンションライフを実現させましょう。
